暇な爺の世迷言

　現役を退いてから腕時計をする機会がなくなった。外出時にはスマホを持参し、火急の用事もないので気楽でよい。何よりも時間に縛られたくないことも一因だろう。
　久しぶりに腕時計をしようと思ったら、全く動いていなかった。この時計は20年くらい前に購入した、ソーラ電池の電波時計で手間がかからないのが一番だった。太陽にさらしてしばらくすると秒針が動き出し、長針がくるくると回り始める。電波を受信して時刻合わせを始めるのだが、充電が不十分なのか途中で止まってしまう。
　室内での用事を済ませた後、外に出て電波の強制受信をして時刻合わせを完了した。便利なものだと感心しながら、日付が合っていないことに気づいた。しかし、修正の仕方が分からない。
　メーカーのホームページから取扱説明書を開き、細部まで読んでいくと日の標準設定というようなことで修正できるらしい。時計のサイドにある３つのボタンを操作するのだが、使ったことがあるのは強制受信ボタンのみ。説明書をみながら操作していくと、日付の数字が勝手に動き出して今日の数字で止まった。20年も前に凄い技術があり、それを使いこなせていない自分にも気づいた。