暇な爺 旅の記録

■ 平成17年夏 紀伊半島縦走

過去、平成13年に紀伊半島の海沿いを走った。名古屋から伊勢志摩自動車道で伊勢神宮に入り、那智勝浦で鯨に舌鼓をうち、和歌山城に上ったりと。道成寺、高野山の独特な雰囲気、根来寺の壮大さなどが印象的でした。
今回は彦根から南に向かい、滋賀県〜京都〜奈良〜和歌山〜伊勢のコース。紀伊半島の真中を走る十津川街道では谷瀬の吊り橋にも遭遇しました。

彦根城〜大津市

彦根城
夜、出発。東名高速で浜名湖を過ぎて仮眠。彦根ICで降り、彦根城に直行する。蝉の声がうるさいほど響いてくる。大手橋から城内に入り、天秤櫓を経て天守閣に上がる。余り大きな感じは受けないが美しい城との印象。

城を出ると井伊直弼の生家である楽々園、庭園で知られる玄宮園などを見学。近くの公園には、井伊直弼の銅像もありました。その後、306号線で、伊邪那岐大神(いざなぎのおおかみ)」にゆかりの多賀大社を見学して近江八幡市に向かう。近江八幡では五個荘町の近江商人屋敷、日牟礼八幡神社、川の流れの美しい八幡堀を散策しました。

石山寺
琵琶湖大橋を渡るとすぐの所に浮御堂がある。湖に建つお堂で一見の価値はあるのだが湖面の水の汚れが気になる。

琵琶湖を横に見ながら石山寺に足を伸ばしました。閉園時刻が迫っていたのですが、受付の方に優しく対応していただきました。石山寺は紫式部ゆかりの寺で、境内の奥の方に紫式部の像があるのを見つけました。石山寺の多宝塔は気にいっている多宝塔の一つです。
今日は瀬田のホテルに宿泊。

比叡山〜京都〜奈良

比叡山
久々に比叡山を訪れた。比叡山は東塔、西塔、横川のエリアから成っており、今回は三塔全てを周った。延暦寺のあるエリアは東塔と呼ばれており、根本中堂は三塔の中でも最も主要な堂。東塔は広く山登り感覚で歩いた。大講堂、阿弥陀堂、文殊楼などが有名だが法然上人ゆかりの法然堂にも足を伸ばすことができた。

西塔エリアは、転法輪堂(釈迦堂)が中心のお堂で、ご本尊の釈迦如来にちなんで釈迦堂の名で知られている。にない堂は常行堂と法華堂が廊下によってつながっている。武蔵坊弁慶が両堂をつなぐ廊下に肩を入れて担った、との言い伝えから名前がついているようです。浄土院は伝教大師の御廟。

横川エリアは、鉄筋コンクリート製の横川中堂と、慈恵大師の住居跡と伝えられる元三大師堂がある。山門入り口には「おみくじ発祥の地」という碑があった。

京都
教育委員会に勤務するようになって、修学旅行を引率することがなく久しぶりの京都。目的地の奈良に向かいながら妻が訪れたことのない所を周ろうと、とりあえず醍醐寺に立ち寄った。醍醐寺の五重の塔は気にいっている一つ。境内を回り三宝院の庭を見て、萬福寺に向かう。
萬福寺は過去に一度来たことがあり数枚の写真が残っている。巨大な魚鼓がある寺がどこなのか分からず、インターネットで調べて萬福寺と特定できた。萬福寺の建造物は、中国の明朝様式を取り入れた伽藍配置で、他の寺とはかなり趣を異にしている。
次に向かったのは宇治の平等院。平等院は3年前に来たときに工事中だった。外から眺める程度かと思っていたが、資料館が作られており今まで以上に平等院を理解することができた。今日はJR奈良駅近くのホテルに宿泊。

奈良〜和歌山

奈良
桜井市にある長谷寺は、真言宗豊山派(ぶざんは)総本山の寺院。道明上人が開基したとされている。西国三十三箇所観音霊場の第八番札所になっている。大和と伊勢を結ぶ古い街道を見下ろす初瀬山の中腹に本堂が建つ。初瀬山は牡丹の名所で「花の御寺」と言われており、境内には「源氏物語」に出てくる「二本杉(ふたまたのすぎ)」が現在も残っているとのこと。

続いて明日香に向かい石舞台を訪れた。名前の由来は、月夜の晩に石(天井石)の上で狐が踊ったからだとか言われている。この古墳の被葬者は、古代にこの地で最大の勢力を誇っていた蘇我馬子というのが最も有力な説らしい。明日香には石造物が多く、猿石、亀石、酒船石などがあり、時間があればゆっくり周ってみたい所だ。

十津川渓谷
明日香から国道169号、168号(十津川街道)を南下し紀伊半島の山中を縦走し那智を目指す。山深い道だが軽快に走っていると大きなつり橋が目に入った。谷瀬の吊り橋で、長さ297m、日本最長という。早速、渡ってみようということになったが、あまりの揺れの激しさに足がすくみ、私は10mほどで断念した。長時間の運転で足がおぼつかないこともあるのだが、あきらめるのに時間がかからない。それだけの迫力がある吊り橋だった。

熊野本宮大社
更に十津川街道を南下し新宮市を目指す。目的地は熊野本宮大社。熊野本宮大社は、全国の熊野神社の総本山である。もちろん熊野三山の首位である。きれいに掃き清められた158段の石段を登る。石段の両脇には杉木立。素戔鳴命(すさのおのみこと)を祀っており、樹木の神様。「紀の国」という名も「木の国」から由来するらしい。あいにくの雨であったが、荘厳な雰囲気を感じることができた。次に熊野速玉神社に向かう。

熊野速玉神社は、熊野三山の一つ。それほど大きな社ではないが、雰囲気のある境内の中にある神社。これで、平成13年に来たときの熊野那智大社と合わせ熊野三山を訪れたことになる。今日は、尾鷲市にあるホテル泊。

尾鷲市・熊野古道・伊勢神宮

尾鷲市・熊野古道
ホテルで朝食を済ませた後、近くにある金剛寺、尾鷲神社に立ち寄る。境内にある楠の大樹は三重県の天然記念物に指定されている。
熊野古道は、熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社)に詣でるために作られた道で、世界遺産として登録されている。熊野詣りのための古道は数本あり、それぞれのルートで案内されていた。その中で道の駅に車を置ける馬越峠に向かう。馬越峠は古道に敷き詰められた石がきれいに並び、保存状況も良好な古道である。約1時間、杉並木にシダの生い茂る古道を散策した。

伊勢神宮・二見浦
海沿いの国道160号を伊勢に向かう。今回の最終目的地だ。伊勢神宮には何度も訪れているが、今回は外宮と内宮の全てを周ってみた。参拝の手順に則り、まずは外宮から。内宮に比べしっとりと落ち着いた雰囲気がある。次に内宮に向かうが、こちらは駐車場探しも大変なほど混んでいる。幸い市営の駐車場に車を停めることができた。
近くにあるモニュメントは、宮城道夫を記念した琴を形どったものとのこと。門前の「おはらい町」で遅い昼食をとり、近年作られた「おかげ横丁」などを見物しながら「宇治橋」を渡り砂利の敷き詰められた広い参道を五十鈴川に向かう。

小雨模様の天気ではあったが、御正殿、神楽殿はじめほとんどの殿を周ることができた。
その後、記憶回復のため二見浦に行き、天の岩屋や夫婦岩を写真に撮り確認した。今回の旅をここで終え、伊勢自動車道から東京を目指した。