暇な爺 旅の記録

■ 平成18年5月 会津〜山形

会津は練馬区に勤めている時の修学旅行で何回か行っているが、個人的にも好きな場所で、時々思い出したように出かけることもある。飯森山や市内には、会津の歴史的な建造物もある。今回は野口英世ゆかりの猪苗代湖から会津の旅を始めた。
山形は過去に、2度ほど出かけたことがある。一度は天童市、そして山寺。山寺に上ったのは平成8年、今回は米沢市・山形市・酒田市に足を伸ばした。

会津

夜、出発。東北自動車道を走り那須塩原付近で仮眠。郡山JCTから、磐越自動車道に入り磐梯熱海で降りる。そこから国道49号線で猪苗代湖に向かう。あいにくの雨で猪苗代湖もガスって見えない。再び磐越自動車道に入り会津を目指す。

会津若松城
まずは白虎隊で有名な飯森山を訪れ、傘をさしながら自刃の場所や墓所、さざえ堂(国重要文化財)などをのんびり見学した。白虎隊の墓所では線香の煙が絶えることがないようだ。
次に会津若松城(鶴ヶ城)に行き城内を散策する。雨に濡れた桜の花びらを踏みながら、城内をのんびり見ていると荒城の月の歌碑などにも目が留まる。旅はあまり急がないほうが、いろいろ見えてくる。

裏磐梯高原
やや道を引き返し裏磐梯高原を目指すが、ゴールドラインの霧が深く視界も10m程度しかない。その上、カーナビには通行止めのマークが出てくる。何とかなるだろうとタカをくくり、そのまま進む。しばらくすると、やや霧が晴れ桧原湖が見えてくる。
五色沼の入口にある毘沙門沼を歩き出したが雨で足元が滑る。こんな時は、あきらめるしかない。カーナビの通行止めは何だったんだろう?


上杉神社

次の目的地は米沢市の松が岬公園(米沢城跡)にある上杉神社。上杉神社には上杉謙信が祀られているが、かつては上杉鷹山と合祀されていたようだ。現在は、新たにできた松岬神社に鷹山が祀られているとのこと。近くには歴代の藩主が祀られている上杉家の廟所もある。本殿にお参りを済ませ城跡となっている松が岬公園に向かって歩く。四周を濠に囲まれ、そこには200本の桜が植えられている。上杉謙信公像、上杉鷹山公像をはじめ宝物殿・春日神社・招魂碑などがあり歴史を身近に感じることができる。
米沢ラーメンで遅い昼食を済ませ、次の上杉家廟所に向かう。

上杉家廟所
上杉家廟所は、上杉景勝の逝去にあたり当地を廟所とし、以後、12代斉定までの歴代藩主がこの地に埋葬されているとのこと。廟所の祠堂配列は、中央正面に謙信、左に偶数代、右に奇数代の藩主の祠堂が並んでいる。静かな場所で、何とも言えぬ独特の雰囲気を感じ気持ちが引き締まる。これだけの廟所は全国的にも珍しいのではないかと思う。一見の価値あり。

今日の宿泊は山形市。途中、上山市にある齋藤茂吉記念館に立ち寄る。奥羽本線に「茂吉記念館前駅」というのがあった。

山形市〜最上川〜羽黒山神社

山形市
ホテルを出て文翔館に向かう。文翔館は山形市内の中心部にあり、山形県の旧県庁舎を復元したもので、現在は郷土館となっている。大正時代のロマンを色濃く残すルネッサンス風の建物で、旧県庁舎と県会議事堂の建物は国指定の重要文化財のようです。
次に向かったのは専称寺。専称寺は市内の東部にある古刹。本堂は元禄16年(1703)に再建されたものとのこと。最上義光の娘、駒姫の霊を弔う為として移建されたもののようです。境内には県指定文化財の梵鐘や市指定天然記念物の大イチョウなどがありました。

最上川
山形市を後に国道13号線を北上し、新庄市で国道47号線に入り最上峡を目指す。最上川を右手に見ながら走っていくと左手に韓国を思わせる建物群が見えてくる。
道の駅とざわだ。戸沢村は韓国と交流があり、日韓の相互理解を深めるということから「高麗館」を作ったようである。高麗館には異国情緒溢れる不思議な空間が広がっている。

しばらく走ると右手に戸沢藩船番所という建物がある。ここから下流の最上川リバーポートまでの約10Kmを1時間ほどかけて、ゆったりとした舟下りを楽しんだ。最上川は標高差がほとんどなく、流れもゆったりとしている。右側の山間から落ちる白糸の滝も周囲の風景に溶け込んでいた。

羽黒山
今回の目的地である羽黒山を目指す。羽黒山は、月山・湯殿山を含めた出羽三山のひとつで修行の山として知られる。羽黒山には東北最古の五重の塔(国宝)がある。この五重の塔と三神山合祭殿を見るのが目的。五重塔は林の中にひっそりと建っており、白木のままのようで派手さはない。塔の壁面に落書きがあったのは残念至極。随身門からが神域とのことだが、山全体に信仰の深さを感じさせる雰囲気が漂っていた。

出羽三山神社
出羽三山神社は羽黒山の山頂にあり、三神合祭殿(写真下)は、月山、湯殿山、羽黒山の三つの神を祀ってある。その理由は、月山と湯殿山は冬の間、雪が多く参拝が不可能なことから羽黒山の出羽三山神社に合祭しているとのこと。恒例の祭典は三神社同時に合祭殿で行われている。
羽黒隋神門から山頂までの参道は、杉並木の中を2446段の石段が続いており、その杉並木は国の特別天然記念物に指定されている。

酒田市
荘厳な雰囲気の三神合祭殿を見た後、酒田市に向かう。途中、庭園で知られる玉川寺に立ち寄る。酒田市を訪れるのは初めてであり、何かと楽しみであった。しかし、着いたのが夕刻で山居倉庫本間家旧邸を慌しく周った。
市役所のチャイムが響き、他の見学場所はあきらめた。酒田市にホテルを予約していなかったので、しばし考える。ホテルを探す煩わしさを捨て、東京に帰ることにした。このあたりが、いつもながらの気ままな旅だ。せっかくだからとJR酒田駅を写真に撮り、日本海側の国道112号線を新潟に向かう。夜、車も極めて少なく順調に新潟に着いた。

新潟で遅い夕食を取ることになったが、酒なしの魚貝類はきつい。酒を飲みたくなり、2〜3ホテルを探したが連休でアウト。酒なしで寿司を食べ、北陸自動車道へ。長岡JCTから関越自動車道、軽井沢近くで仮眠し、約1500Kmのドライブを終わった。