暇な爺 旅の記録

■ 平成20年8月 金沢から姫路

最近は出かけるときに、どこに行こうかと迷うことが多い。ほとんどの名所・旧跡は過去に行ったことがあり、休みの日程などを考慮すると場所も限られてくるようだ。今回は、北陸から姫路・赤穂を目指した。金沢市をゆっくり見学してみたいことと、まだ行ったことのない赤穂、30年ぶりに姫路城の写真でも撮ってこようと思って出かけた。

高山〜五箇山〜金沢

高山市
ETCの夜間割引を利用するため、午前0時に首都高速に入り、中央自動車道で松本ICを目指す。今年はガソリンが高く少しでも交通費を節約したいなどと考える。順調に走り、松本IC手前のSAで仮眠することにした。カー・ナビの調子が今一で、やや不安にもなった。早朝、松本ICで降り、国道158号線で高山市に向かう。飛騨・高山は20年ほど前に訪れており、陣屋、古い町並み、国分寺などを足早に見学した。

五箇山
高山から中部縦貫自動車道で飛騨清見JCから東海北陸道路に入り五箇山の合掌集落に向かう。途中の白川郷は、以前に訪れたことがあり今回はパス。国道156号線を走っていると右手に、最初の合掌集落菅沼集落がある。この付近にはいくつもの合掌集落があるようだ。菅沼集落を見学し、最も規模の大きい相倉集落に向かう。途中、国道沿いに合掌造りの重要文化財村上家住宅がある。相倉集落では、集落が一望できる展望スポットに登った。気温が高く、汗ダクダク。それでも、相倉集落の雰囲気を十分に味わうことができた。

再び国道156号線を北上し、砺波市にあるチューリップ公園に向かう。ここには五連の水車があり、今回楽しみにしていた場所でもあった。しかし、五連水車は思ったほどの規模ではなく、水路に水を通してないため動いていない。インターネットで慎重に調べていたのだが残念至極であった。

金沢市
砺波ICから北陸自動車道で金沢に向かう。20年ほど前に訪れたことのある兼六園をゆっくりと歩き、過去の記憶を蘇らせることができた。その後、金沢城公園武家屋敷通りを見学して金沢駅近くのホテルにチェックイン。まだ、外が明るい時間だったので、金沢駅の異様な巨大なモニュメントやひがし茶屋街などに足を伸ばした。

東尋坊〜三方五湖〜城崎温泉

東尋坊・丸岡城
早めにホテルをチェック・アウトし東尋坊に向かった。途中で燃料計の警告ランプが点滅し始めた。東京から600Km、そろそろ給油をしなければと思うのだがガソリンが高い。安めのスタンドを探しながらの運転となった。この前、東尋坊に来たときは激しい雨で、人もまばらだったが今回は快晴。あまりの気温の高さに帽子を調達した。岩場を歩き、写真を撮り、土産物屋をみながら車に戻る。
東尋坊を後に、次の目的地である丸岡城に向かう。急な石階段を登り天守閣まで上がった。吹く風が心地よく、しばらく涼を味わった。丸岡城には来たことがあるような、ないような、記憶が定かでない。家に帰ってから写真を確認したら、傘をさして写っている妻の写真があった。


那谷寺〜三方五湖
時間の関係で永平寺と一乗谷はパス。安宅の関を経由して那谷寺に向かう。安宅の関には神社があり、その裏手に関所跡などがあった。神社で巫女さんの説明に耳を傾けた。那谷寺は、山全体が大きな岩で包まれているような独特の雰囲気がある。奇岩遊仙境(写真右)と呼ばれる岩肌は絶景、本堂や三重塔など国宝級の建物が存立している。

北陸自動車道を敦賀で降り、次の目的地の三方五湖に向かう。途中、気比神宮に立ち寄る。気比神宮の大鳥居は国の重要文化財で、春日大社、厳島神社の大鳥居にならぶ三大鳥居の一つだそうです。

三方五湖を見るためにレインボーラインに行ったら、先月の大雨で土砂崩れがおき通行止めとのこと。反対側の海山料金所からは入れるとのことで、大きく迂回して山頂まで行った。山頂からリフトに乗り梅丈岳の展望台にあがると、眼下に三方五湖の絶景が広がってくる。天気が良すぎるのか、遠くがガスっているようで多少残念であった。
若干、のんびりし過ぎたため次の目的地である「天橋立」への時間が危うくなってきた。舞鶴若狭自動車道から京都縦貫自動車道に入り、最寄のICで降りたのが午後5時、ロープーウェイの運行を確認すると午後5時まで。前回は夜の橋立、今回も断念するに至った。今夜の宿、城崎温泉に向かった。宿での夕食後、城崎温泉の名物外湯めぐりに出かけ、3ヶ所の外湯に入った。7つの外湯があるが、3ヶ所が限界であった。

城崎温泉〜姫路城

城崎温泉
朝食前に温泉街を散歩、昨日は夜の到着だったのでカメラを持って1時間ほど散策した。昨夜、入った「地蔵湯」、「柳湯」、「一の湯」などを確認した。城崎温泉の雰囲気の漂う川沿いの風情が心地よかった。宿で朝食を済ませ、出石に向かった。途中、玄武洞と呼ばれる柱状節理の見事な洞窟や岩肌を見ることができた。
出石は蕎麦で有名だが、出石城の城下町で趣がある。出石城の復元が進んでいるようだが、時を知らせる辰鼓楼や山頂まで続く鳥居、沢庵和尚の宋境寺などがある。暑い中ではあったが、ゆっくり散策することができた。次の目的地は明石・大石神社。高速道路がつながっているので楽なドライブとなった。

大石神社・赤穂城跡
赤穂市を訪れるのは初めてである。忠臣蔵の舞台となった赤穂に思いをはせ大石神社に向かう。大石神社の参道には四十七士の石像が並ぶ。気を引き締めて拝殿に手を合わせた。この一帯は赤穂城の発掘調査が行われており、赤穂城の一部が復元されている。今後、発掘調査はさらに進みそうであった。

姫路城
赤穂ICから山陽道を姫路に向かう。30年前の旅行で最後に訪れたのが姫路城で、そこから東京までの帰路が遠かったような記憶がある。駐車場から城内への一帯が整備されており、過去の記憶とは全く異なっている。
以前訪れたときに写真を撮った場所を中心に、同じアングルの写真を撮ってみた。カメラを2台肩にかけ、天守閣に登った。真夏の暑さを忘れさせる風が気持ちよかった。
この日は大阪市内に宿を予約していたので、姫路城をゆっくり見学して大阪に向かった。大阪市内の渋滞と梅田駅周辺の混雑、強引に割り込んでくるドライバーのマナーには呆れた。

名古屋城〜豊川稲荷

名古屋城
この日は東京に帰るだけだったので、なかなか立ち寄ることのできない名古屋で高速を降りた。前回、名古屋城を訪れた時は、まだ開門しておらず周辺から城を見ただけだった。今回はエレベーターで天守閣に上がり、名古屋市内を一望した。

次に向かったのは熱田神宮。残念ながら拝殿は工事中であり、内部が白い布で覆われていた。広い境内をのんびりと散策した。熱田神宮を後に、国道1号線を東に進み豊川稲荷を目指した。1号線を走ったのは、安いガソリン補給が目的でもあった。その成果もあったが、岡崎市で岡崎城跡に立ち寄ることができた。岡崎城は家康にゆかりの深い城で、大手門や天守閣が復元されていた。訪れた時間もタイムリーで、からくり時計に迎えられた。

豊川稲荷
豊川稲荷に向かっていると、天気が怪しくなってきた。空が暗くなり一雨来そうなようすである。駐車場に車を停め、境内に向かったが、風も強く、旗が勢いよく音を立ててゆれている。急ぎ足で境内を回ったが、途中で雨がポツポツと降ってきた。それでも奥の院や三重塔などに足をのばしたが、足早に見学を終えた。また、機会があったら訪れてみたい。

人の良いオバさんのいる土産物屋で買い物をし、今回の旅を終えた。カーナビを自宅にセットした。豊川稲荷を出たのが5時過ぎ、9時過ぎには自宅に着いたので順調な道のりであった。4泊4日で走行距離1800Km、ガソリン高ではあったが気分転換になった。