暇な爺 旅の記録

■ 平成23年 奈良〜和歌山県

若い時に旅して回った所は、時間のない時に無理していたので、行っただけ、ちょっと立ち寄っただけということが多い。高野山、道成寺、那智など、和歌山県はまさしくその代表的な所であった。平成12年に伊勢志摩から和歌山市へ、平成17年には奈良から紀伊半島を北に向かって熊野に出かけている。今回は時間をかけて、のんびり回ってみようというのが目的。最初に奈良を選んだのは妻が中学校の修学旅行以来であり、その後の行程も容易になるから。

奈良・修学旅行コース

浄瑠璃寺
東京から順調に走り、名神高速を京都で降り、最初の目的地浄瑠璃寺に向かう。
浄瑠璃寺は、京都にある寺だが奈良駅に近い場所にある。ここも過去に一度訪れたことがあるが、記憶は写真だけになっている。夏の暑い陽ざしの中、駐車場から寺に向かう道で記憶が蘇ってきた。池の向こうに建つ三重塔や国宝の本堂など、落ち着く寺です。

修学旅行コース
奈良に入り最初に向かったのは、復元が進む薬師寺。東西の三重塔、金堂や回廊など。40数年前の中学生の時とは全く景観が違ったようです。

玄奘三蔵院を拝観し、近くにある平成の大修理を終えたばかりの唐招提寺に向かう。裏手にある鑑真和上の墓所にもお参りをしました。その後、伎芸天像が有名な秋篠寺西大寺に立ち寄り、西大寺では大茶碗のお茶会の情報を得ることができました。

奈良公園に入り、東大寺の南大門から大仏殿に向かう。大仏の大きさに感心し、三月堂、二月堂を巡りました。二月堂から見る景色と風の心地よさに、しばらく回廊で時間を過ごした。大きな鐘楼を見て下り、興福寺に行ったのですが、5分前に宝物殿が閉じてしまった。金堂、五重塔、南印から三重塔。そして、猿沢の池から興福寺の五重塔を望み、今日の予定が終了。JR奈良駅近くのホテルが今日の宿。

高野山

金剛峯寺
前回、那智や高野山を訪れたのは平成12年でした。この時に撮影した写真が、ほとんどなく写真の撮り直しも目的の一つです。奈良から高野山までは3時間弱、ランクルでの峠道は辛いものがある。
駐車場に車を置き、さっそく伽藍を見て回る。金堂の入り口付近が工事中で、写真を撮るには距離が短く苦労した。根本大塔御影堂などを丁寧に見ることができた。大門にも足を延ばし、金剛峯寺では内部もしっかり見学した。

そこから、高野山女人堂に向かい、途中、徳川家の廟所にも立ち寄ることができた。女人堂からはバスで奥の院に向かい、奥の院の雰囲気を十分に味わった。一番奥にある弘法大師御廟をお参りし、Uターンするように戻り、苅萱堂(かるかやどう)に寄って見学終了。見学時間約4時間。この後、今夜の宿泊地となる和歌山市加太に向かう途中にある粉河寺と、再訪したかった根来寺にお参りした。

和歌山の寺社巡り

根来寺
和歌山県紀の川市にある粉河寺は、立派な大門や本堂、大きな境内の中に石組みの庭園がありました。次に行ったのは岩出市にある根来寺。ここは前に来た時も非常に印象の深い寺で、特に根本大塔と大門はもう一度見るべく、楽しみにしていた。境内をゆっくり見学し、根本大塔の写真も撮ることができた。
この日のホテルは和歌山市の加太で、海に面しており遠くに淡路島の影を味わうこともできた。

翌日、宿の近くにある、流し雛で有名な淡嶋神社にお参りし和歌山城に向かった。和歌山城の天守閣から紀の川を望み、涼しい風がありがたかった。紀州東照宮天満宮は、いずれも小高いところにあり、一瞬、石階段を登ることがためらわれた。和歌浦の不老橋を見て次の目的地に向かう。

紀三井寺・道成寺
紀三井寺は、階段がきつかったことを覚えていたが、やはりきつかった。樹木の影になり本堂の全体が見えないのが難。新しく観音様を祀ってある派手な「新物殿」が建てられていた。
紀三井寺から御坊市に向かう途中、海南市にある徳川家の墓所、長保寺に立ち寄った。国宝の大門と多宝塔が有名だが、改修工事中のため見ることはできなかった。由緒ある寺だが、あまり整備されていない印象を受けた。さらに山道を走り、由良町にある、大きな天狗が有名な興国寺の天狗堂にお参りした。

車を走らせ、御坊市にある道成寺(写真右)に向かう。道成寺は、それほど広い寺ではないが、境内が整然としており三重塔が美しい。前回、あまりゆっくり見ることのできなかった資料館で歌舞伎「道成寺」を堪能した。参道の土産屋で風鈴を買い、今夜の宿泊地、日ノ御崎に向かう。日ノ御崎灯台や風力発電の風車などを見て回った。

白浜・潮岬

白浜海岸
白浜を目指して出発。途中、田辺市にある闘鶏神社に立ち寄る。弁慶の産湯に使った釜があるとのこと。市内は弁慶一色という感じだ。
白浜海岸に近づく。平成12年の時は伊勢から白浜のコースだったので、それとは逆のドライブ・コースとなった。最初の見どころは円月島(写真右)。道路わきの見学スポットに車を止めて、数枚の写真を撮る。次は、千畳敷。陽ざしが強く太陽を遮るものがない。暑い中だが、波の音と浸食された岩肌を楽しんだ。
松林を抜けて間もなく、三段壁に着く。展望台から太平洋の荒波を聞くことができる。エレベーターで下ると、熊野水軍の隠し洞窟を見学することができるが、前回見ているので今回はパスした。

潮岬
国道41号線をしばらく走ると、右手に潮岬に入る三差路がある。観光センターを通り過ぎると本州最南端の潮岬灯台に到着する。白亜の灯台に登り、雄大な太平洋を眺望する。潮風が心地よい。帰路、灯台の門を出て左に、狭い道を進むと潮岬神社がある。小さな社殿だが、周囲を石垣で囲い台風から守っているようだ。
潮岬を後にして、国道沿いに昼食場所を探していたら、串本町の海岸に橋抗岩(はしくいいわ)という奇岩を見ることができた。弘法大師の伝説にあるようだ。



那智

熊野那智大社
まずは熊野那智大社に向かう。社殿のすぐ下に駐車できた。ラッキーでした。拝殿で手を合わせ、隣にある西厳渡寺に向かう。境内の燈籠に、開いている穴から那智の滝を見られる所がある。前回、ここから写真を撮っているのだが、カメラのトラブルで気に入った写真を撮ることができなかった。今回は慎重に何枚もシャッターを切った。この寺の境内が、那智の滝を見るビューポイントになっている。

三重塔の後ろに滝が流れ落ちているのも美しい。坂道を下って滝壺を目指す。滝そのものが熊野大社の別宮「飛龍神社」の御神体ということ。滝壺を間近に見えるポイントまで行き、数枚の写真を撮る。滝の水しぶきが心地よい。

熊野速玉大社
熊野大社を後に、新宮駅の近くにある熊野速玉大社に寄った。雨模様でもあり平成17年に来た時、熊野本宮大社と速玉大社をゆっくり見学しているので今回はお参りだけさせてもらった。5日間の旅の最終地から、ナビを東京にセットした。