暇な爺 旅の記録

■ 平成28年 3泊4日の沖縄旅行

平成28年5月、3泊4日で一人39800円という沖縄へのツアーが目に留まった。旅行会社のツアーには今まで参加したことがなく、初めての経験であったが恐る恐る申し込みを済ませた。事前に旅行代金やら何やらを済ませ、1週間前に羽田空港の集合場所と時間が記された日程表が届いた。

1日目

羽田 〜 沖縄
5月11日の当日、集合時刻よりも少しばかり早く羽田空港に行き、軽い昼食を済ませた。集合場所のフロントで飛行機の搭乗券を受け取り、出発ロビーに向かった。出発ロビーにはツアーバッジを着けた人たちが多く、この人たちと行動を共にすることを思うと何となく気が重くなった。飛行機は午後の便で、那覇空港には5時ごろに到着した。ロビーで現地の添乗員から説明を受けながら、ツアーの大型バスに乗りこんだ。ツアー客は約80人で、大型バス2台という盛況ぶりだった。気になっていた団体さんとは別のバスで、少しばかり楽な気持ちになった。今日は読谷村の残波岬ロイヤルホテルに行くだけのスケジュールだった。
ホテルは期待していた以上のリゾートホテルで、夕食にオプションを加えて和食を選び泡盛を味わった。夜は、琉球芸能ショーで琉球の踊りを鑑賞した。土産物店で泡盛を1本調達し、晩酌に備えた。

2日目

万座毛 〜 今帰仁城
翌朝、ホテルから北上し、最初の見学地である恩納村の「万座毛」に行く。海岸線の崖が見どころで、周囲をぐるりと回ってバスに戻る。駐車場に並ぶ土産物屋は、旅行会社として保証できない品が多いとの説明があった。このあたりがツアーの面白いところだと思えた。バスはさらに北上し、途中OKINAWAフルーツランドに立ち寄り、パイナップルを試食した。他のツアー客の購買意欲にはびっくりさせられた。次に、竜宮城という店で昼食となり、併設している蝶々園で蝶の生態や飛び交うようすを楽しんだ。

次の目的地は古宇利島。古宇利島に架かる全長1960mの古宇利大橋を渡り、橋の左右に広がる沖縄らしい海の色を堪能することができた。橋を渡った所で休憩後、来た道を戻り海洋博公園に向かった。
海洋博公園の中にある美ら海水族館(写真上)では、大きなジンベイザメが3匹、悠々と泳ぐ様をみることができた。かなりの規模の水族館で、水槽のアクリル硝子の厚さは50cmもあるとの説明があった。この後、オプションのコースを選択していたので今帰仁城跡(写真右)を見学した。今回のツアーでも楽しみにしていた場所でもある。今帰仁城は世界遺産に登録されており、石垣(城壁)の復元が進んでいるようだった。14世紀に築城され1609年に薩摩軍の琉球侵攻で炎上したとのことである。
バスは再び海洋博公園に戻り、オプションに参加しなかったツアー客を乗せ、沖縄名物の紅いもタルトを製造販売している御菓子御殿に立ち寄った。途中、修学旅行生や外国人観光客が押し寄せ、お土産の買い物は断念した。
今日のホテルは沖縄かりゆしビーチリゾート・オーシャンスパで、大きく立派なホテルだ。ホテル内のプールが2か所にあり、円形の建物をぐるっと回って客室に入った。しかし、入浴は履物も含め、完全に外出着という徹底ぶりだ。せめて、履物ぐらいはと思うのは私だけではなかったようだ。風呂の設備はすばらしいが、スタッフは気の利かない連中が3名もいた。

3日目

黒糖工場 〜 首里城公園
3日目は、最初に黒糖工場に立ち寄った。個人の旅行では訪れることのない場所ではあるが、ツアーでは買い物も大きな要素になるのだろうと感じた。黒糖工場で買い物をすることはなかったが、バスは次の見学地の琉球村に向かった。琉球村は過去に来た時の印象が残っており、水牛が回りながらサトウキビを挽くところや古民家の佇まいは懐かしく感じた。中央の広場では、琉球の伝統芸能を実演していたので、しばらく楽しむことができた。日差しが強く、帽子を購入した。
その後、高速道路を通って那覇に向かい、国際通りにあるステーキパフォーマンスの店で昼食を摂り、御菓子御殿の出店でお土産を買うことができた。この後も、オプションのツアーで、知念半島に向かい沖縄ワールド玉泉洞を見学した。玉泉洞の記憶が曖昧で、秋吉台の秋芳筒と勘違いしていたことに気づいた。

沖縄ワールド(写真上)では、スーパー・エイサーの出し物を見ることができた。若くなければできないような、激しい動きであった。沖縄ワールドからみーばるビーチに向かい、グラスボードに乗って海の中にふんだんにあるサンゴ礁を見て、沖縄の海の色がサンゴ礁と太陽の光でかもし出されていることが実感として理解できた。

バスは再び国際通りに戻り、全員を乗せて首里城公園に向かった。守礼門(写真右)の記憶はあるのだが、なんとなくあやふやで、それ以外の建造物はほとんどが近年に復元されたものである。正殿に入って中を見学したが、これという感慨は特になかった。1992年に沖縄の本土復帰20周年を記念して復元されたとのこと。多くの門が存在するが、守礼門の近くにある「園比屋式御嶽石門」は世界遺産に指定されている。

首里城公園を後に、この日のホテルグランビューガーデン沖縄に向かう。那覇空港の近くでもあり、夕食がセットされていなかったので、添乗員に紹介されていたアウトレット・モールに出かけた。が、レストラン街と聞いていた2階には、スパゲティ専門店と琉球料理の2店しかなく、入った琉球料理の店では8時30分で閉店とのこと。琉球料理といってもただの食堂のような店で、私は泡盛と豆腐窯、妻は沖縄そばを注文したが・・・・なかなか出てこない。早々に、この店を後にし、近くのコンビニでつまみと食料を買い込みホテルに戻った。まさに、最悪のパターン。この1件で、添乗員に対する不信は強固なものになった。ホテルは、上等なシティホテルというところだが、プールも備えられていた。翌朝の朝食バイキングでは、かなり多くの人が宿泊していることが分かった。

4日目

ひめゆりの塔 〜 琉球ガラス工房
4日目は、ひめゆりの塔平和祈念資料館に向かった。ひめゆりの塔と壕は記憶が定かではないが、おそらくこの場所で、周囲が整備されているので分からなくなっているのではないかと思った。資料館では、戦後70年の節目に特別展示が行われており、ひめゆる学徒隊を引率した教員たちが関わった特集が組まれていた。夜、ピアノを弾いて生徒に聞かせた音楽教師など心打たれるものがあった。最近読んだ、吉村明の「殉国」と重なる部分が多く、戦争の悲惨さに心が痛む時間を過ごした。
最後に琉球ガラスの工房に寄り、ガラス製品の製造過程を見学することができた。売店で記念のグラスを購入してお土産にした。

すべての見学を終え、バスは昼ごろに那覇空港に着いた。帰りの飛行機の搭乗券などを受け取り、スーツケースを預けた後、軽い昼食を摂った。前回の時は、この段階で最後の「ソーキそば」を食べたのを覚えている。飛行機は順調で、少しばかり揺れることもあったが、羽田空港には3時30分ごろ着くことができた。このくらいの時間だと帰る電車も空いており、疲労も少ないように感じた。初めてのツアー参加だったが、3日目の夕食の件を抜けば合格点だったように思う。