暇な爺 旅の記録

■ 久しぶりの京都 H30.10

10月9日、自宅を夜10時に出発し環8で東名高速に向かう。岡崎SAで仮眠をとり、朝8時過ぎに京都南ICを降りる。京都観光に訪れたのは、妻が中学校の修学旅行以来50年ぶり、私も6年ぶりになる。今回は2泊3日の予定で、修学旅行なみのコースを設定した。

1日目

伏見稲荷大社
京都南ICから近く、見学時間も自由な伏見稲荷大社を最初の見学地にした。市内からは結構行きづらい場所なので、車で立ち寄るが駐車場に停めることができた。千本鳥居から奥社奉拝所をお詣りし、妻は「おもかる石」で祈願の成就を試していた。石段を上り熊鷹社まで行ってみた。熊鷹社まで行くと人々の信仰の深さを感じることができる。

東福寺
伏見稲荷の近くにある、京都最大の大伽藍として知られる東福寺。国宝の三門は日本最古のもので、大きさに圧倒される。通天橋は仏殿から常楽庵に至る渓谷・洗玉澗に架けられた橋廊で、紅葉の時期はすごいだろうなと想像される。重要文化財の常楽庵開山堂(写真)は屋根の上にもうひとつ部屋があるような珍しい堂。
三十三間堂
宿舎のホテルに車を置いて、仁和寺から妙心寺方面に向かう予定だったが雨。運よく三十三間堂の駐車場に入ることができた。今年の7月に、国宝の風神・雷神像と二十八部衆像の配置換えが報道されていたので興味深かった。特別拝観として、見学路に一段高くなった場所があり、そこからは最上段の仏像も見ることができた。本尊の千手観音の裏にある仏像を含めて、1001体もの仏像が安置されていることに圧倒される。京都では何度も訪れている場所だ。
妙心寺
車で妙心寺に向かう。ここも駐車場に停めることができた。あいにくの雨だが、傘をさして広い境内を歩く。お目当ては、法堂の天井に描かれた雲龍図。ガイドさんの案内で法堂の雲龍図の説明を受けると、描かれている龍の表情や意味がよく理解できる。明智風呂と言われる浴室の説明も丁寧だった。
仁和寺
今年東京で開かれた「仁和寺と御室派のみほとけ展」に行っていたので、妻が楽しみにしていた寺。私もここの二王門が好きで何度も訪れている。五重塔を見てから、国宝の金堂に向かう。何か催し物があったのか金堂に五色幕がかかっており、全体を眺めることができなかった。御殿を拝観し、回廊から庭園の美しさを楽しんだが、何とも雨が憎たらしく感じられた。仁和寺の近くの蕎麦屋さんで昼食を摂り、ホテルに向かった。写真は数年前の晴天時の仁和寺二王門。
二条城
ホテルのチェックインを済ませ、徒歩で二条城に向かった。東大手門から唐門を抜け二の丸御殿に入る。鴬張りの床には絨毯のようなものが敷かれてあり、何となく風情が感じられない。多くの人が訪れるので、痛みの激しいところもあるようだった。二の丸庭園から本丸御殿を通り、清流園を経て休憩所でコーヒー・ブレイク。しかし、このコーヒーの不味さに驚愕。とても売り物とは思えない代物だった。

2日目

永観堂(禅林寺)
市バスの一日券での移動日。最初に永観堂に向かう。紅葉の名所として知られるが、まだ時期が早い。洛東エリアには徒歩圏内で行ける寺が密集している。そして、相当歩くことが予想される。永観堂に着き、多宝塔に上るが近すぎて塔の写真が撮れない。阿弥陀堂を外から見学した後、釈迦堂から堂内を順路に沿って回る。山肌に沿ってお堂が建てられているためか、階段が多くありエレベーターが設置されていることにびっくりした。ゆったりとお詣りさせてもらい、外に出て振り返ると多宝塔の上部が見えた。何とかカメラに収めることができた。永観堂を後に南禅寺に向かう。途中野村美術館に立ち寄り、開催中の「茶の湯の美・能楽の美・日本の美」を見学した。

南禅寺
歩いていくと南禅寺の三門の所に出た。早速、三門に上り京都の街並みを眺めたが「絶景かな」とは思えなかった。南禅寺の山門は「日本三大門」の一つ。あとの二つは、知恩院と山梨県の久遠時。天井に幡龍(写真)が描かれている法堂から水路閣に向い、水路閣の水の流れも確認できた。国宝の方丈は大方丈と小方丈が連結しており、回廊に沿った庭園も見ごたえがあった。南禅寺から知恩院に向かうが、そこそこ距離があった。途中、懐かしい思い出が残る青蓮院の前を通り知恩院の東門に到着。

知恩院
東門から武家門を通り、「法然上人御堂」で「知恩院七不思議」の抜け雀、大杓子などを見学。方丈庭園、千姫のお墓、勢至堂などを見ながら御影堂に向かう。ところが、御影堂は大修理中で屋根の一部が見えるだけ。完成は2020年の予定。阿弥陀堂と多宝塔の写真を撮り、友禅苑の庭園を見て「日本三大門」に数えられる三門に出る。知恩院前の神宮道を通り、丸山公園から見える八坂神社の鳥居をくぐると境内に到着。

八坂神社
ここは有名な神社だが、見るべきものは少ない。お詣りを済ませ、東大路通りに面した「西楼門」で写真を撮って見学終了。昼食は数年前に立ち寄った餃子で有名な店。湯豆腐をいただく予定だったが、懐かしさが先行しラーメンに変更となった。昼食を済ませて、バスで清水寺に向かう。

清水寺
京都で一番参拝客の多い寺。相変わらずの人ごみで参道は歩くのも大変。仁王門、西門、三重塔から本堂へ向かう。本堂に入った瞬間、舞台が工事中で暗い。わずかに外が見えるように開かれた場所もあるが、視界が遮られ興ざめも甚だしい。そのためか、普段は見ることのできない本堂の仏様を見られるようにしてあった。音羽の滝には、修学旅行生が並んで行列を作っていた。釈迦堂、阿弥陀堂、奥ノ院を通り子安の塔(写真)に向かった。子安の塔は舞台から正面に見えるが、今まで来たことはなかったので間近に見られてよかった。
錦市場へ
清水寺で今日の予定は終了し、錦市場に行ってみようということになった。バスを乗り継いで四条河原町まで行き、そこから徒歩で四条通りを西に向かった。ところが、錦市場が四条通りに面していないことを忘れ、通り過ぎてしまった。細い路地を入ったが、もう一つの目的地も見つからない。近くに六角堂があったので立ち寄った。そして改めて、錦市場に向かった。錦市場を通り、新京極の風情も感じながら酒処を探した。18:00前に店を開いているところがなく、京都駅に向かいショッピング・モールの居酒屋で夕食を済ませた。

3日目

壬生寺
今日は京都観光は「壬生寺」のみとし、大津の「三井寺」に向かうことにした。壬生寺は新撰組ゆかりの寺で、近くの新撰組屯所跡を見学しようと思った。壬生寺の境内にある池の中の島が壬生塚で、新選組隊士のお墓や近藤勇の像などがある。境内には阿弥陀如来像や地蔵菩薩像など、1000体が安置されている千体仏塔(写真左)がある。壬生寺は昭和37年の放火で本堂をはじめ仏像仏具多数焼失している。壬生寺を出て近くにある屯所跡に行ったが、30分の興味のない話を聞くことに堪えられず、途中で席を立ち狭い内部を一回りして帰ることになった。以前、あわら市にある「嫁おどしの面」を見に行った時にも、延々と続く話の途中で帰ったことを思い出した。

三井寺(園城寺)
以前に来た時の記憶が定かでなく、金堂の修理中や仁王門はうろ覚えだった。入口で丁寧な説明を受け、参拝順路が記されているパンフレットを頂いた。三井の晩鐘は前回に突いているので今回は省略した。鐘楼が囲われており、中の鐘を撮影することができない。金堂(写真)の内部は立派で、多くの仏様を見ることができた。弁慶の引き摺り鐘の記憶は鮮明で、何事もこうであってほしいと思う。三重塔は前回うまく撮れず、今回は慎重にシャッターを切った。観音堂、水観寺、護法善神堂を巡り三井寺を後にした。
大津市内で給油し、ナビを自宅に帰るにセットした。東名の東京料金所までは順調だったが、料金所を出てから渋滞。環八に出ても渋滞続きで、料金所から1時間以上かかって午後7時ごろ帰宅。走行距離は1000q弱。