暇な爺の世迷言 #1

　居間の床の一部がブヨブヨとしている。築50年超の家なので、何かと不具合が生じている。床板の張替えを考えていたのだが、床の一部を切り取るスキルがなく手つかずであった。
　何か方法がないかとインターネットで検索していると、マルチカッターという工具を使って床板を切り取る作業の紹介があった。これだと思い、早速このマルチカッターという工具を手に入れた。
　ホームセンターに出向いて床板と補強用の角材を揃え、作業を始めた。床にドリルで穴を開け、その穴にジグソーの歯を入れて大雑把に床を切っていく。床下を確認して、床板を支えている角材を避け、マルチカッターで床を張替える大きさに開口する。新しい板を開口したサイズに切断し、角材で補強してボンドで接着する。素人の作業にしてはまずまずの仕上がりで、とりあえず良しとした。

　友人からフォークソングのＬＰレコードを借り、聞いてみた。最近は歌の曲も聞くようになっているので、抵抗なくレコードの音を聞くことができた。そして、フォークソングのレコードは１枚も持っていないことにも気づいた。
　中古のレコードを扱っている店を調べているうちに、オークションでも出ていることが分かり、安心できそうなストアで20数枚のＬＰを落札した。段ボールの中に入っているレコードを見ると、さすがに時代を感じるが盤面には大きな傷はない。丁寧にレコードを洗えば、大丈夫そうだ。平均すると1枚あたり50円という格安価格で、新たな楽しみが増えそうな予感がしている。
　ついでにレコードのジャケットを入れている透明な袋も購入し、痛みの意激しい袋を新しいものに取り換えた。すると、レコードの背表紙のタイトルがきれいに読める。全部のレコードの袋を取り替えたくなった。

　レコードにプチプチとノイズが乗ってくると、聴くことに集中できずにイライラすることがある。このような状態で聴くことは避け、レコードを洗うことにしている。レコードの中央に貼ってあるレーベルが濡れないようにするカバーもあるので、安心して作業をすることができる。
　レコードにぬるま湯をかけ、台所にある中性洗剤をスポンジにとって丁寧にレコードの上を泡立てる。しばらく放置した後、泡が残らないように洗い流して自然乾燥させる。通常はこれでプチプチノイズはなくなり、音質もクリアーになる。私は普段からレコードを大切にしているので、これ以上の作業をすることはない。
　汚れがひどい場合やカビが出ているような時の洗浄のしかたは、インターネットでも簡単に調べることができる。実践すると、その効果のほどに驚くと思う。

　時々、近くの都立公園まで散歩に出かける。普段は公園内を歩いて１万歩を目指している。
　公園の桜がきれいに咲いていると思い妻と出かけた。天気が良かったので、商店街の地下にあるお惣菜屋さんで弁当を購入し、桜を見ながらのんびりと昼食を頂いた。
　花見だからと肩を張らずに、食べられる分量だけで良しとして花見の雰囲気を味わう。これで十分だなと感じる。飲みすぎて酩酊することもなく、ペットボトルのお茶でのどを潤す。身の丈に合った味わいを受け入れることができるようになってきた。

　首筋左側のリンパ節が腫れてかなり痛む。以前にも一度、同じようなことがあったと記憶している。たまたま風邪気味だったので、以前に処方された薬を飲むと首筋の痛みも和らいだ。風邪の影響だろうと考え、左上歯茎の奥にできていた口内炎にも常備している軟膏を塗りこんだ。
　通院しているクリニックで定期的に血液検査をしているので、６か月ぶりに採血をしてもらった。その翌々日クリニックから電話で、「数値に異常があり来院してほしい」とのこと。血清アミラーゼという数値が正常値の１０倍を超えており、耳鼻科の診断を受けるよう勧められた。
　クリニックでいただいた紹介状を持参し、人間ドックで使っている三楽病院で診察を受けた。口内炎の細菌による炎症が原因でリンパが腫れたようで、大事には至らず数種類の薬を処方してもらった。
　もう若くないと言い聞かせながら、素人判断は怖いと感じた。