教え子の仕事ぶり
2020.06.05
 4年前、練馬区の中学校で出会った彼に再会したのは、彼が36歳になった時の同窓会だった。そこで彼から1冊の本を渡され、自分が書いたものなので読んでくださいと言われ受け取った。寄贈する際には裏表紙などにサインしておくとよいと伝え、本の中のキーワードの言葉とともにありがたく頂戴した。そして、久しぶりに読み直してみた。
 本のタイトルは「悲しみを抱きしめて・・・・・御巣鷹 日航機墜落事故の30年」。彼はTBSテレビの報道記者で、この悲惨な事故に合った遺族に寄り添い取材を続けてきた。内容は悲しむ人と寄り添う人の涙と感動の物語。涙なくして読むことは難しい。
 特筆したいのは、事故当初から遺族の方々がマスコミを避け続けていた中で、彼が遺族の方々や関係者から信頼を得られたこと。入社1年目から御巣鷹の慰霊登山を繰り返し、少しずつ取材ができるようになっていったようだ。
 慰霊の園で行われた1周忌の記念式典で、御巣鷹の尾根がある上野村の黒沢村長の式辞は遺族に大きな感動を与えたとある。慰霊のために村を上げて力を尽くし、人を動かし、遺族の方々にお父さんと慕われた黒沢村長の人生訓としてあるのが、陰徳を積むという言葉で、彼からいただいた際に記されている。陰徳とは、人の嫌うことを人知れずやること。
 彼の名は西村匡史くん。彼の仕事ぶりに敬服すると同時に、今後の活躍にも期するものがある。
コメント一覧
野田文隆 - 2021年01月05日 23:00
日航機の御巣鷹山墜落事故は丁度夏休みの自主研修旅行で熊本にお出でになられていた時でした。
多くの方々が亡くなられた大きな事故....遺書を走り書きされた方、生存者がおられた奇跡、忘れられません。
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