あいさつ原稿
2021.08.10
 新年を迎え3学期が始まると、卒業式で何を話すのか考え資料などを揃える。2月中旬くらいには原稿を書き始め、3月に入ったころにはおよその形ができる。卒業式の1週間前には、不適切な表現などのチェックを行い完成原稿に近いものとなり、3日前には副校長にコピーを渡し、校長有事の際に備えておく。前日の夜は原稿の読み込みと音読を繰り返し、言いづらい箇所は文言を入れ替えたりする。当日は発声練習を兼ね、校長室で2回程度の音読を行い、ここでも朱を入れることがある。これが、学校で一番大切な日、卒業式の校長挨拶(式辞)の舞台裏だ。
 一国の首相が、広島の原爆死没者慰霊式・平和祈念式典で原稿を読み飛ばし、批判が相次いだ。その立場にあるものが式典の意味を十分に理解せず、心無いその場しのぎの挨拶という愚行がもたらした結果だといえる。加えて、長崎の式典中継では市長の平和宣言では字幕が流れ、遅刻した首相の時には字幕が消えたという。NHKは広島では流すが長崎では流さないのが常だというが、そこには聴覚障害者に対する配慮は存在しない。ここまで信用されないとは、惨めだ。
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