暇な爺の世迷言

　連日報道される能登半島の被害が明らかになるにつけ、こんなことが起こるんだと思いを新たにしている。能登半島は好きな場所だったので何回か訪れているが、知っている風景の変わりように言葉を失っている。
　希望する中学生を安全な場所に避難させて教育活動を再開したというが、このことが如何に大変なことか自分の理解できる範囲でも想像を絶している。単純に学校を二つに分けたら、倍の教員が必要になる。避難先での生徒の生活管理はどうするのか。毎日が修学旅行の宿舎のようになるのか、そこに携わる方々の心労は計り知れない。このようなことを想定し、決断に至った行政には感服至極でもある。
　多難・困難の解決糸口も見追い出すことは簡単でないが、被災者の方々に希望が見いだせる国レベルの支援を祈るばかりだ。

　JAXAが日本初となるSLIMの月面着陸を成功させた。着陸後に太陽光パネルが発電しないなどの課題が発生し、ギリギリ合格の60点としているが、世界で５番目の快挙を素直に喜びたい。
　夜空に浮かぶ月の特定な場所にピンポイントで降り、着陸地点の精度を１００ｍ以内とするらしく日本の技術力の高さを実証してほしい。ハヤブサといい、H2Aロケットの打ち上げ成功など日本の宇宙開発計画が着実に実を結んでいるようだ。
　近隣の危うい国が宇宙を想定した争いごとに熱心なようだが、宇宙空間にまで、人間の愚かさを知らしめることは避けてほしいと願っている。

　新たなHDDレコーダーで録画した番組を見終わったので、テレビのリモコンで電源をOFFにしたらHDDレコーダーの電源も一緒に切れた。何かあると調べたら、HDMIというケーブルでつないでいる機器同士は、設定次第で一つのリモコンで操作することができるらしい。
　我が家でBS放送を見るためには、まずテレビのリモコンで①電源、②入力切替ボタン、ケーブルテレビのリモコンで③電源を入れ④BSボタンと４譜段階の作業が必要だった。
　リモコンをケーブルテレビの一発ポンという設定にしたところ、BSボタンだけでテレビの電源も入り視聴できるようになった。それぞれの機器によってHDMI接続の呼び名は異なるようだが、設定を工夫することで便利になる。今までの不勉強を恥じるばかりだ。

　HDDレコーダーから変な音がしてきたので、壊れる前に新しいものを調達した。ケーブルテレビを利用しているので、今まではケーブルテレビのチューナーから赤白黄のコードを出してHDDレコーダーにつないでいた。まさにアナログ人間の古い知識でしかない。
　接続を確認するためにマニュアルに目を通してみると、LAN接続という聞きなれない言葉がチューナーにもレコーダーにも出ており、使い勝手が良さそうなのでパソコンで使うLANケーブルをつないで設定を済ませた。
　すると、チューナーの番組表から予約するだけで、高画質のまま録画できるようになった。今まではBS放送はチューナーとHDDの両方で予約していたので、その煩わしさから解放されたが、きちんとマニュアルを読むべきだと再確認する作業になった。

　正月早々、震度7の地震で能登半島に大きな災害が出ている。被災現場では何もかも不足しており、医療関係者はトリアージを行っていると報道で知った。トリアージとは、災害などで多数の傷病者が発生した時に、緊急度や重症度に応じて治療優先度を決めることだが、瀕死の状態にある方の優先順位は必ずしも高くない。
　国境なき医師団が創設された50年前、この医師団ではトリアージが通常になっていた。日本人が持っている死生観から、日本人が参加することは困難だろうと言われていた。阪神淡路大震災で復旧の際に悩まされたのは、亡くなった方たちの遺体の処置だとも聞いている。
　時を経て、日本でもトリアージが行われるようになったことに感慨深いものがある。亡くなられた方々の冥福を祈るとともに、一日も早い復興を願わずにはいられない。