現代語訳・和訳
2020.05.23
 ここのところ過去に読んだ本の読み直しが多く、新しいものを読むことが少なかった。久しぶりに面白そうなものがあったので入手した。香月牛山という江戸時代中期の医師が書いた、老人必要養草というタイトルで、老いを楽しむ江戸の知恵という副題がある。
 原文は江戸時代のものなので、それを現代語にして分かりやすく解説されている。内容は衣食住、精神の保養、老人の疾病など多岐に亘り、興味を惹かれることがらが多い。
 そして、ふと思ったのは、日本人なのに江戸時代に書かれたものを理解できない自分がいること。新渡戸稲造の武士道や内村鑑三の代表的日本人を読んだ際、これらの書は日本人とは何かを欧米の人たちに伝えるために英語で書かれたものだということを知った。和訳されたものを読んでいる自分の語学力の貧しさを痛感したが、読めないものは読めないと居直ってもいた。
 グローバル化が進み小学生にも英語教育をという流れになっているが、昭和を大切にしている私は日本語や日本人の気高い精神を学び続けたいと思っている。これを負け惜しみというんだろうな。

- CafeLog -